バガンの宿事情
人気急上昇のバガンではハイシーズン(10月から3月)ともなるとすべての宿泊施設が満室となるなど、観光地としてはホテルが取りにくい状態が続いています。
特に今年は欧米のミャンマー観光ブームだけでなく、観光ビザの緩和政策によってタイなどの東南アジア諸国からの観光客も増えたため、ホテルがさらに高稼働となっています。
その結果、どこのホテルも強気となって、今年10月からの料金が軒並み上がっています。中には30%近く値上げしたバジェットホテルなどもあり、旅行会社からすると悲鳴をあげたい状態です。
料金体系からすると以下のようになると思います。(2014年10月~3月)
ゲストハウス | 18ドル~35ドル |
バジェットホテル | 35ドル~50ドル |
★★ | 50ドル~80ドル |
★★★ | 80ドル~150ドル |
★★★★ | 150ドル~200ドル |
★★★★★ | 200ドル~ |
※バガンの場合、ホテルとゲストハウスという区分けが明確にされておらず非常にあいまいです。この点も観光発展という視点に立つといい加減で、早急に改善してほしいところです。
こうやってみるとなんとも高い料金体系ですが…、これでも泊まる人が多いんだからしょうがないですよね。
これが手配しようとするとまたとんでもなくホテルが強気で、「(他にもお客はいくらでもいるから)いやなら予約してくれなくていいですよ」という露骨な態度をとられます。
他国の旅行会社にいた私からすると、高慢にもほどがあると思いますが、取れないと困るので、なんとか我慢してます。
うちのスタッフには、ホテルの予約課の態度に我慢できないときには、「そういうスタイルでいると、5年後には星の数が減りますよ」と言え、と言っていますが(笑)。
と、旅行会社からすると悲惨な状況なのですが、観光客側からするとそれほど大きく影響を受けているわけではありません。
アゴダなどのオンライン予約が使いやすく、大きなトラブルも起こってないことから旅行会社で予約していたのが、ネットで取るようになっただけなのだと思います。
その上、旅行条件面でも、アゴダで取ればキャンセル規定がゆるく、うちのような旅行会社で取るとキャンセル料が早く発生するという、アゴダひとり勝ちの様相を呈しています。
ところが、ミャンマーに限っていえば、あまりにもホテルが儲かって儲かって仕方がないので、ホテルからすると条件の厳しいアゴダへの部屋数を少なくし始めたようなのです。
アゴダで満室になっているホテルが、うちで取れたりしていますので。
私自身はもうアゴダに適わないと思っていまして(笑)、ホテル予約は旅行会社の時代ではないような気がしますが、いずれにしても、ミャンマー(特にバガン)のホテルの「売ってやる」スタイルは、そのうち接客レベルやマネージメントの質にも影響し、やがてはバガンの観光そのものにも波及していくのではないかと強く心配しています。