~バガン便り~

バガンに本社がある旅行屋のブログ

田舎暮らしのリアル

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ヤンゴンの旅行会社の社長さんから、「よくバガンで生活できますね。私なら2週間以上持たない」と言われたことがありますが(笑)、いわゆる日本の田舎暮らしとはだいぶ違うかもしれません(笑)。

まず、バガンの人達は日の出とともに行動を開始します。わたしは毎朝村の中を通ってローカナンダまで歩いていきますのでよく分かりますが、季節によって時刻が変わりますので、それに合わせて起床時間も変わっていくのです。寒い12月~1月は6時頃から通りの掃除を始めていましたが、今の時期は5時には始めています。時計がいらないんでしょうね。昔の日本もそうだったのでしょうが、外を見て起きるのだと思います。
それから、満月の日は仏教のお祭りなので、月の動きによって生活が成り立っています。
つまり、バガンの暮らしの基本とは、日月の動きに逆らわない、自然に合わせた生活だということになります。

また生活面では更に日本の生活とは程遠いでしょう。
乾燥地帯にありまたインフラが整っていないので、とにかく水が悪いです。
水道の蛇口から出てくる水には井戸の水と川の水がありますが、井戸の水はすぐなくなります。それで川の水ですが、これが悪いのですが(笑)、濁ってます。シャワーの先端部分がすぐだめになるので、もう2年以上外してシャワーします(水浴び?)。

以前日本の農業の専門家から、「橋本さんね、自然界で動物の糞尿のたぐいは汚いとは言いません」と言われたことがあってだいぶ免疫があるほうなのですが(笑)、エーヤワディー川の増水のあととかはこの濁りが激しくなります。土色の水には慣れているのですが、最近増水のあとお米を研いでまして、濁っていたけどまあいいやと思って、最後炊くときの水はミネラルウォーターを使ったのですが、濁っていただけでなく完全に砂利水だったようで、食べた瞬間、ジャリって歯ごたえが広がったので、さすがに捨てました(笑)。

また洗濯もこのような水なので当然白いシャツは洗えません。ですのでおかしな理屈なのですが、白い肌着はランドリーに出して、色物のワイシャツを自分で洗うという矛盾した状況になっています(笑)。


電気については最近はだいぶ電化された村が多くなりましたが、それでも停電は多いです。よくカンボジア・シェムリアップに住んでる日本人の方が、停電が多いと書かれていたりしますが、私に言わせれば序の口かなと思います(シェムリアップもよく行きますので)。
対処法としましては、基本的に電気に頼ることをしないということですね。虫除けは蚊取り線香でいい。暑い夜の停電はきついので冷凍水を常に用意しておく。米は早めに炊いておく。要は昔の生活に自分を戻すってことです(笑)。
ついでに、電力が安定していないので、ノートパソコン(こんなところでデスクトップなど使えません)が平均2年で壊れます。日本にいると実感ないでしょうが、ここではパソコンが精密機械なのだと改めて分かります。

また食生活でいいますと、仏教の聖地で基本肉を食べないので、肉類は美味しくありません。特に牛は農家にとってはかけがえのない存在なので食べる人はいないのではないでしょうか。いちばん美味しいのはエーヤワディー川のなまずです(笑)。
サラトラベルのスタッフの昼食を見てますが、本当に飽きもせず毎日毎日油ぎった魚のカレーを食べていますので、“人間というのは食の選択肢がたくさんある環境にあれば伝統食以外を食べるようになるが、選択肢が少ない場合には伝統食以外を排除するようになる”という結論に達しています(笑)。


またスタッフで言いましたら、うちみたいな会社(オフィス)というのはバガンでほとんどなく、しかもオンラインを中心としたシステムでやっているところなどない(できると思ってる人がいない)ので、パソコンを扱うのがはじめてというスタッフもいました。
電気もない村から来てた若いスタッフなどは、冷蔵庫を見たのがはじめてだったらしく、冷たいほうがいいだろうとよくジュースを冷凍庫側に入れてました(本当です 笑)。

で、そういうのどかな若者と一緒に仕事をしてきた結果わかったことは、生活環境からまったくかけ離れた仕事をさせても、伸びる子は伸びる。デジタルな仕事もあっという間に覚える。またそれは年齢が上でも教育を受けていなくても関係ない。ということでした(笑)。こんな経験をしている人間はほとんどいないでしょうから、貴重な事実だと思います。


でも、なにぶん仏教信仰の強いところなので、スタッフがすぐ辞めます。給料が高かろうがボーナス前だろうが、打算抜きで理由なしですぱっと辞めていきます。だって、ここの人達にとって仕事するより仏を拝んだ方が良いことなんですから。。これには勝てません。


ちなみに、バガンでは連休である水祭り期間中に仏門に入る女性が多いので、水祭りが終わると坊主頭の女性が多い不思議な光景があります。尼僧院自体が18世紀にビルマではじまったことなのでほとんど他国では見られないと思います。有名なモデルなども頭をまるめたりするので度々ニュースになったりしています。


それからバガンの人達はけんかをほとんどしません。怒ることが恥ずかしいこととされるのと、けんかを避ける習慣があるのだと思います。たとえば危ない割り込みとかでドライバーの一方が怒っても、怒られた方がニタニタ笑ってることがあるのです(笑)。見ているととても奇妙ですが、村社会の良い部分なのでしょうか。


私はよくバガンの互助システムについて取り上げたりしていますが、これも仏教の教えと貧困地帯で生きる社会システムが合わさってできてきたことで、ミャンマーでは歴史的に仏教が権力を持ってこなかったことで、人々の生活の方を向きより信仰が深くなるという珍しい宗教の成功例なのではないかと思います。


朝起きると、鳥がさえずり、窓の外からリスが睦みあう風景が目に入ります。天気が良いとバガンの朝日と夕日がきれいで観光客が喜びます。雨季に雨が降ると恵みの雨なので農家がみんな喜びます。

私は東京出身ですが、都会が嫌いでした。妙な違和感を持って生きていました。今は仕事以外でヤンゴンにすら行きたいと思いません(笑)。これはどう考えても遺伝子レベルで田舎っぺなのだと思います。
実はそういう人は多いのだと思っています。なぜなら、日本人だって100年前にはほとんどが田舎っぺだったじゃないですか。人々の生活の変化が急激すぎるんだと思うのです。ですので、私みたいな極端な人は少ないと思いますが、生活レベルを少し元に戻して、懐かしいことをしてみると案外心地よかったりするかもしれませんね。(こんなオチにするつもりはなかったんですが。すみません。笑)

 

 

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