バガン地震の副産物
今年起きた8月の地震では、バガン遺跡の中で特に軍政時代に修復したパゴダや寺院の尖塔部などが損壊しました。
詳細につきましては次のレポートをご覧ください。
本レポートを書いたあと、私が詳細を伝えることでどんな影響が出るのかと思うと手が震えました。観光業者ですので観光へ悪影響があるかもしれないと思いましたが、現地の日本人として正確な情報を提供することだけを思いアップしました。
結果、心配は杞憂に終わり、多くの方々から「レポートが参考になった」「バガン旅行をキャンセルしようと思ったけどやっぱり行くことにした」という声が聞かれ、すべての人にとってレポートして本当に良かったと思いました。また想像以上に大きな反響があったので、これからも現地からの情報発信を重視していきたいと思います。
さて、地震の影響もひと段落し、バガンは日常に戻っていますが、おもしろい現象が起こっています。
地震のあと、外壁が崩れ中から更に古いパゴダが顔をのぞかせたものが出てきました。
これはミンカバー村近くのパゴダですが、中から古い仏塔が出てきました。
バガンのパゴダのすべてが、昔の人が功徳のためにお寺に寄進したものですが、寄進する予算がなければ、先祖の建てたパゴダを覆うように修復して、自分の功徳にしたのです。
今回の地震で崩れたものではありませんが、オールドバガンにもこのようなパゴダがあります。
それ以外にも、マンダレーに行く途中にあるチャウセーのタモテ・シンピン・シュエグジーという寺院は、かつて大きなパゴダにすっぽり覆われていましたが、外側のパゴダが崩れ中から美しい装飾で覆われたバガン初期の寺院がそっくりそのまま出てきたというもので、非常に貴重な史跡です。
興味のある方は下記の記事をご参照ください。
このように、何度も修復し、覆いをかぶせることが功徳として認められてきたために、バガンの多くの建築物も中がどうなっているかは見てみないと分かりません。
ただ遺跡といえども現在まで途切れなく続いてきた上座部の信仰対象ですので、調査ができるのかどうか、コンサバティブな場所柄ですのでロマンで終わりそうな気がします。