~バガン便り~

バガンに本社がある旅行屋のブログ

日本の旅行代理店さんへのメッセージ

てるみくらぶの一件が大きな波紋を呼んでいます。

私は日本人のための旅行に携わるひとりとしてここ毎日泣きたい思いです。
お客さんに思い出を売る商売の我々にとって、何万人も旅行代金を払っておいて旅行ができないなど、考えられないようなできごとです。

 

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(C)重松深雪さん

 

先日あるツアーのお客さんから、ガイド経由で連絡が入り、どうしてもひとこと言いたいということだったので何事かと思ったら「バガン来ようかどうか迷ったんですけど、来て本当に良かったですよ。それだけ言いたかったんです」って。それを聞いて、心から良かったなと思いました。

また何度か書いているように、慰霊のお客さんに対する気持ちを強く持っていますので、「戦死したお兄さんの慰霊のために、父が死ぬ前に訪れたいと…」などと聞くと、この旅行絶対に成し遂げねばと思うのです。

バガンにある旅行会社ですので、帰国前にヤンゴンに到着してすぐお礼のメールを頂くことも多いです。中には私がうらやましくなるような感動の旅になる方もいて、旅行の素晴らしさを再認識するのです。そしてそんなとき、わたしがバガンにいる存在意義を感じますし、お客さんの幸せに直に触れることのできる仕事に、この上ない充足感に満たされます。

 

ただ現地の仕事というのは、けっこう大変なことが多く、私はいまでは少なくなりましたが、以前いた国では緊急連絡先となっていたために、電話が鳴る度にドキッとする電話恐怖症でした。緊急対応が多いためデートもままならないことが多かったです。そして日常生活でも、シャワーを浴びるのにも携帯を音が聞こえる場所に置いていました。
他国でオペレーターをしている人に聞いてもいろいろな苦労があるようで、「テレビの後ろにカメレオンの小さいやつ(注:ヤモリですね)がいて気持ち悪いから退治してください」と言われてホテルに対処を要請するとか、いろいろな話を聞きます。

ただ現地サイドに共通してるのは、お客さんにとってよりよい旅行となるよう、日本のサービスに負けないように頑張っていこうということです。

 

以前大手代理店のツアーで、地方を観光している途中で台風にあい、完全に旅程が中断してしまう事態となりました。その上、たまたまその都市で国際会議があってホテルというホテルはすべて満室、現地オフィスでは泊まれる宿泊施設を何時間も探しました。その間その町全体が浸水し、担当していたベテランガイドは独自の判断で唯一高台にあった教会に避難、そこで夜までお客さんと過ごしました。そしてオフィスサイドでかろうじて手配できたゲストハウスに移動して宿泊(そこも雨漏りから電気がびりびりっと走ってとんでもない部屋だったと後でお客さんから聞かされましたが)、旅行は最悪の展開でした。
ところがプロ意識の高いガイドは旅行トータルで見て良い思い出になるよう工夫し、後半はホスピタリティ満載のガイディングを発揮して、アンケートは一様に“洪水になったときはどうなるかと思ったけど、最後は本当に素敵な旅となりました”と称賛の嵐でした。
※ちなみにこのガイディングで、このツアーはガイド指定でシリーズ化したそうです。

 

話がだいぶ逸れましたが、日本に行ったこともない現地スタッフたちは、遠い国から来てくれる日本人観光客のために、一生懸命手配しています。そして観光客の方々も、言わなくてもそれが分かるようで、すばらしい景色と温暖な気候とピュアな人々に満足されて帰っていかれます。

バガンにいてふと思うのは、ひたすら手配に打ち込む私以上にお客さんの満足度が高いので、きっと私の手配以上にバガンのオリジナルの力が強いのだと思います。

 

旅行会社なんてたいして儲からないじゃないですか。
それでもやっていくのは、ただ単にお客さんの笑顔が見たいからではないでしょうか。
普段スタッフたちにくどく言っている言葉があります。
それは、お客さんの旅行に対する満足度は様々な要因に左右されるので難しい、ただ、少なくともお客さんの旅行をこわしてはいけない。ということです。

 

以前から感じていましたが、日本の代理店さんには海外旅行の手配に関して、遠隔操作してる感が強い気がします。
少なくとも、お客さんに一生忘れられない旅行を売るんだったら、今回のような結果にならないように、その前に業界全体で対処すべきなのではないでしょうか。同じお客さんをもてなしてるんですから。

 

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