ポーウィン山のこと
バガンとマンダレーの中間に位置するモンユワは、チンドウィン川の麓にあってかつては交易の盛んな場所でした。マルコポーロが「東方見聞録」の中で、バガンの手前のくだりで“金銀の両替レートが非常によい町があって、西域からも多くの商人が集まっている”と述べていますが、もしかするとモンユワのことだったのかもしれないなと思います。
さて、モンユワから25km西へ向かったところにポーウィン山があります。ミャンマー語では、ポーウィンタウンと言いますが、これは「参篭の山」つまりおこもり山という意味です。現在の上座部仏教でも、たとえばスリランカなどは町の中で暮らす僧侶と、人里離れた僧侶がいて、特に後者の方が尊敬を集めるようですが、昔の日本の山寺の和尚さんや修験者と系統は同じといえるかもしれません。
このポーウィン山のすごいところは、14世紀から18世紀につくられた多くの窟院があり、その数947あると言われています。特に石窟の中に描かれたジャータカなどの多くの壁画は、バガン王朝以降のミャンマーの仏教芸術を結集した美術館のような雰囲気を醸し出しています。
この辺などは何かインドやアラブにある遺跡をほうふつとさせるようなつくりで面白いです。
スタイルは主にピンヤ王朝やインワ王朝期によく見られるタイプですが、とにかく数が多いです。
一方こちらのストゥーパはすごい形をしています。カックー遺跡などにあるシャン式パゴダの後期のものに似ていますが、尖塔の首は長くありません。この地域で独特の進化をとげた建築スタイルだということでしょう。
モンユワにはインドネシアのボロブドゥール寺院に似た巨大なタウンボディーパゴダや巨大立像もあり、また近郊には漆工芸の村チャウッカなども人気で見るとこだらけです。
また次回観光時間も入れてご案内したいと思います。
どうぞ思い出に残るご旅行をされてください。