世界遺産の本当の意味
“長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産”が世界遺産に登録されたということです。
五島の頭ヶ島天主堂(画像はwikiより)。のどかな美しい海とミスマッチな小さな天主堂群がすばらしいです。
私は一時期キリシタン史に凝り、上智大学の図書館に通ったりしたこともありますが、外海や五島などは過疎化が急速に進み、キリシタン(いわゆるカクレ・ハナレ)だけでなく、大浦天主堂でのカトリック復活以降の伝統や貴重な伝承も廃れていっているので、今回の世界遺産登録はそういう意味で文化を残せる機会になるのではないかと思います。
特に“ハナレ”キリシタン(明治以降カトリックの教義に戻らなかった人々)は、江戸時代からの秘匿した信仰に基づくために、自分たちの信仰を誰にももらさず、若い人たちはそれを継ぎたがらないことから消滅の危機に瀕しています。
もしかしたら本人たちははた迷惑に感じているかもしれませんが、世界遺産の本来の意義である、キリシタンたちの望む伝統文化の継承に一役買ってほしいなと思います。観光客が大挙押し寄せて、その秘匿性や大事なものを決して穢すことなく。
お願いしますよ、ユネスコさん(笑)。