バガン&ホイアン便り - ミャンマー・ベトナム観光 情報ブログ

ミャンマー&ベトナムにあるサラトラベルの情報発信ブログ

観光の再開時期について

少しずつ予約が入りはじめてきました。旅行業に携わる私からすると、底をうって非常に前向きな状況に変わってきたわけですが、現在どんな状況にあるか意見表明する人が日本には全然いないなと感じます。何でしょうかね?自粛してるんでしょうか。

観光業というのはロスを数える産業だと思うのです。つまり他力本願的な面が大きく、災害など不可避の事態によって損失を被ることが定期的に起こって、そこでつまずいて出直す必要に迫られるので、実感としてロスが大きい商売だなと感じるのです(笑)。

f:id:saratravel:20200509162323j:plain

さて、前置きが長くなりましたが、私は日本からのインバウンドに特化しているのでその観点からすると、海外旅行の需要が戻るのは入国制限・渡航制限が解除されたとして今年9月以降だと思っています。ロンリープラネットは夏場後半から、日本の観光新聞社も8月後半からとしています。その後徐々に戻ってきてトランプ米大統領などは完全に戻るのに2年かかるとしています。

観光需要については、たとえば“民族問題などによってミャンマーが嫌いになって行きたくなくなった”とか、“〇〇の国は前回嫌なことばかりで二度と行かない”などといった、「行きたくない」という人が多いわけではなく、「行こうと思ってたけど行けなくなった」という気持ちの人が多い状況ですので、旅行できるようになったら戻ってくると思われます。

だから娯楽が多くリピーターの多い国が最初に戻るでしょう。またミャンマーで言えば、ガパリビーチなどもともと喧噪とは無縁の観光地は、ソーシャルディスタンスを心がけても魅力となるでしょうし、バガンやインレーも屋外なので大丈夫と捉えられるかもしれません。

どの国も国内観光を優先的に回復させ、そのあと段階的に海外へという方針であることは一貫していますが、それも実は“国内⇔海外”というはっきりした観光区分ができている国のことになります。日本でいえば、海外旅行が普及するのはつい30年前からのことですし、それまでは私の世代も含めて国内しか旅行したことがなかったわけです。旅行といえば、京都とか長崎とか、近場で草津、伊香保という(笑)、40代以上の人はだいたいそうだったと思います。その後海外旅行がでてきて、2つの旅行分野ができましたが、ミャンマーなどはいきなり海外に出る人とかもいて、ガパリもグエサンビーチも行ったことないけれど、去年シンガポールとシェムリアップに行きましたとか言うわけです。

要は時代背景として国内旅行がなかったところにいきなり海外旅行ができるようになったので、その間のステップをすっ飛ばしてるわけですね。はじめて持った携帯がスマホだというのと同じです。しかも東南アジアはどこも距離が近いですから。
先週、ASEAN加盟国の観光閣僚級会議が行われましたが、その中でアフターコロナの観光回復プランの策定というのが大きく取り上げられました。これなどは、アセアンを1つの国としての枠組みととらえ、観光需要の創出を促していくということだと思います。

いまのところ中国はしばらく内需を優先させるように見えますし、日本やアメリカも同様のようですが、たとえば、オセアニア(オーストラリア+ニュージーランド)やスイス(近隣諸国から順次緩和)のように、内需という意味を1国に限定せずに周辺の国と一緒にやろうとする国々も見られます。国力のない国も数多く含まれるASEAN諸国もそのような協力体制を敷くということでしょう。

またLCCの普及などにより国際線の座席需要はいまや東南アジアが世界でいちばん多いので、そういう意味でも国際線の再開はアジアの多くの国にとって喫緊の課題となっています。日本のニュースを見ていますと、運休、運休でもう終わりだというニュアンスに思えてきますが、まったく正反対で、6月まで運休で7月から再開とか、減便の上継続とか、多くのエアラインですぐにでも再開させる準備をしているのです。

それから飛行機での移動が危ないという先入観があるようですが、もともと高度10000mもの高さを飛行する航空機には、外気を取り込む必要上高度な換気システムが備わっており、座席の上から下へ空気が流れるように設計されていて、さらに高性能空気フィルターで循環しているので、非常に感染しにくいつくりとなっているんですね。私にとっては窓のない新幹線の方がよっぽどコワいと思ってしまいます(笑)。

それを考えますと、国際線搭乗を避けた方が良いという理屈はまったく正確だと思いませんし、それを分かっている方からどんどん海外旅行に戻っていくんだと思います。そして、感染者がゼロにはならないということと、ワクチン開発を待っていたらホテルや航空会社、レストランとかイベント会社だけでなく、自分たちの生活もボロボロになっていくということにみんなうすうす気づいてますので、“ニューノーマル”とは言えども残る需要は残ると思います。

最初に言いましたが、観光業はロスの多い業種です。需要回復までにはかなりの時間がかかると報道されていますが、ちなみに私の会社では昨年の11月が創業以来の最高益でしたが、そこまでV字回復したら逆にこわいですよ(笑)。観光需要というのは少しずつ上がっていき、何かがあっていきなり下がって、また少しずつ回復して、また急に下がるのです(笑)。
だから、9月ぐらいから少しずつ戻って、来年半分ぐらいに戻って、再来年にやっと回復、それで十分です。気持ちを切らさずに丁寧に旅行をつくっていくしかないとつくづく思うのです。

■元記事:
tokuhain.arukikata.co.jp


にほんブログ村 旅行ブログ ミャンマー旅行へ
にほんブログ村