ロヒンギャ帰還合意に関連して
こんにちは。
本日久しぶりに明るいニュースといいますか、ロヒンギャ問題解決の糸口とも言えるミャンマー・バングラディシュ間における合意が交わされたという報道が入ってきました。
日本の報道を見ると何が本当か見えないので、現地ミャンマータイムス紙を見てみましょう(笑)。
この記事の中で、ミャンマー国家顧問庁とバングラディシュ外務省の間でロヒンギャ族帰還についての合意が交わされたとしていますが、ミャンマー側はその時期について明言を避けた、と書かれていますので、詳細は未定ながらも今回はっきりと前進したことがわかります。
そして、政府は避難民のための集落をマウンド-タウンシップ内に新設し、居住できるようにするとしています。ただし、どの程度の数が帰還を認められるかについてはわかっていません。
今回のニュースではアウンサン・スーチーさん率いるミャンマー政府が、圧力を強める国際社会に譲歩した格好となりました。ミャンマータイムスの論調もたんたんと公表された事実を述べたようになっており、この問題の難しさを表しています。
さて、今後は逆に仏教徒に対する配慮が難しくなりそうです。
なにしろ今回の問題の発端は、ミャンマー人たちにとっては本来宗教問題でなく、隣国からの植民たちが引き起こしたスクワッター(違法移民)の問題だと認識されているわけですから、反発が出てくるかもしれません。
ところで横道にそれますが、わたしは度々ミャンマーの仏教には「上座部ナショナリズム」が強いと言ってきました。これは、私は政府の代わりに仏教が存在してきたためと理解していましたが、それを裏付ける東京外大教授である土佐桂子さんの講演がありますのでご紹介したいと思います。
研究会「ミャンマー」③ 土佐桂子さん講演(この下にPDF版があります)
ミャンマーにおける宗教政策(pdfダウンロード注意)
バガン王朝時代も、後期に差しかかると上座部に寄進された土地が多くなってしまい、政府と仏教の間で土地所有権確認訴訟が頻発し、その多くで仏教が勝ったとされていますが、千年前から人心が仏教に強く傾倒してきた国であり、それを各時代の政府もコントロールできなかったところがあるので、現在まで仏教が絶対となるのは必然と言えるのかもしれません。
誰だって愛国心を穢されたり身内を侮辱されると怒るものです。
後進国、しかも最近になってようやく開国したばかりのミャンマーで、先進国がまとめて集中砲火を浴びせてミャンマーが悪いと圧力をかけるのは、戦前日本がやられたことに似ている気がして、現地で仕事をしている私からするとすごく気持ちの悪い思いをしてきました。
かつてパレスチナはテロリストの巣窟といわれ、衝撃的なニュースで話題を集めました。故アラファト議長はいまだテロリスト上がりの…という表現をされますが、国連での「どうか私の手からオリーブを奪わないでください」という演説は国際社会にテロと生存闘争の境目を考えさせました。その後パレスチナは国家として認められるようになりました。
私がここでパレスチナを取り上げたのは、いま現在私たちが見ているニュースというものは、どちらか側から見たものが多いので、実際に何が起こっているかは分からないと思うのです。どうしてパレスチナ問題が発生したのか客観的に正確に理解しようと思うと、まだまだ紛糾してしまいます。ロヒンギャ問題にしても、両極端の主張しかないような状態なので、将来どのような評価になるかも分かりませんが、何が正しいか、どちらが悪いのか、それ以前に結論がでるのかも分からないと思うのです。
私自身マウンドーに行ったわけではありませんし、この場で何か主張したいわけでもありません。ただ日本ではYAHOO!でロヒンギャ被害者への募金まで行われているようなので、報道する側が色をつけるとこうなってしまうのだろうか、という強い疑念があります。わからないという状態ではいけないのだろうかと。
いずれにしても、今回の前進ですべての人にとって幸福に一歩でも近づくよう願ってやみません。良い世界となるよう期待しましょう。
※すみません、今回は笑えませんでしたね。もうやめときます(笑)。
政府は遺跡保護区域内のホテルを移転する計画
こんにちは。
時々この噂が流れてきていましたが、今回のニュースで現在進行中であることがはっきりしました。
ミャンマー政府は15年以内にバガン遺跡保護区域(オールドバガンなど)にあるホテルを新ホテルゾーンに移転させる計画を持っているというものです。
以前から明らかにされているものですが、ホテルサイドが猛反発、裁判になったら確実に勝訴するなどと強気な発言を繰り返しています。
今回のニュースでもその難しさが出ていますが、私個人としては遺跡の真ん中にホテルがあること自体がおかしなことで、世界遺産を目指すのであればパゴダしかない世界という方が景観が美しいのは当然です。
ただ、前軍事政権時に得た半永久的な既得権益を手放すとは思えず、逆に軍政時代にあったような強制排除でもしない限り、更地には戻せないのではないかというのは周知のとおりです。ちなみにこのホテルの中には日系ホテルのティリピセヤも含まれてますね(笑)。
余談になりますが、ミャンマーのホテルというのは非常に高飛車で、代理店である私の会社のような旅行会社はどこでも辛酸をなめさせられた経験があります。この辺も軍事政権の残した置き土産であり、サービス向上がなかなか進まない要因ともいえるでしょう。
さて、このオールドバガンホテル移転計画ですが、ユネスコはというと「移転する前に移転先である新ホテルゾーンのインフラ整備が重要」と述べていますが、このホテルゾーンというのがまた辺鄙なところにあります。実はここには数軒のホテルが既に建っているのですが、周囲には何もないので閑古鳥がないています。
私も以前から、バガンからこのホテルゾーンにシャトルバスを走らせ、街道沿いには優遇措置を講じて土産物店やレストランを誘致し、双方にとってメリットがなければ誰も泊まらないし、ホテルを建てないだろうと思っていました。
本来はこの辺の計画は、例のJICAのバガン観光パイロットモデル構築プロジェクトでやるべきことだったのですが、残念ながら何の成果も残せずに3年過ぎてしまいましたね。進行中の移転計画についても、政府サイドとホテルが真っ向から睨みあっていますので、妥協点を探らないとどうしようもない気がいたします。
ついでながら、この記事に出てくるU KHIN MAUNG NUとは私の会社の半専属ガイドのような存在のマウンさんです(笑)。ミャンマーに5人しかいないシニアガイドの1人なのですが、生き字引(失礼)というかバガンのご意見番で、周囲が言えない正論をはっきり言うので、最近では重要なミーティングには大臣らに呼ばれてしまうのでガイドどころではなくなってきました(笑)。まあともかく、こういうバガンの良心の人々によってバガンが良くなっていくことを心から願っています。
バンコクエアウェイズがマイレージシステムを変更
※11月10日追記:今日バンコクエアとカタール航空がコードシェア便の拡充やマイレージプログラムにおける提携を結ぶと発表しました。エティハド航空ではなくワンワールドのカタール航空だったわけですね。
ソース:Qatar and PG pair loyalty schemes : TTR Weekly
両マイレージクラブを見てみると、相互でマイレージが貯まるようになっていますが、特典航空券の発券などはできなさそうです。また加算率にしてもあまり良いようには見えません。今後どこまで使い勝手が出てくるのか期待してみたいと思います。
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こんにちは。
アジアのブティックエアラインをうたうバンコクエアウェイズですが、ベトナム航空やタイ航空とコードシェア便を拡大するなど東南アジアで勢力を拡大しています。
そんなバンコクエアですが、11月1日よりマイレージクラブ FlyerBobus の加算方式を変更し、サイトも新しくしました。ざっと見た感じ、以前のものに単純に単位を50倍にして、アライアンスグループと同じような数字になるように見直した、と言えると思います。
また、今まで提携エアラインの特典航空券に換えたい場合電話かメールが必要だったのですが、新しいサイトでは自社と同様オンラインで発券できるようになった模様です。
ちなみにJALの国内線を発券する場合はエコノミーで7500マイルと、ブリティッシュエアウェイズ(エグゼクティブクラブ)の4500マイルよりは高めの設定ですが、以前は往復300ポイントだったので変わっていません。
このページで見る限りファーストクラスの設定があるようですが、他社の券種で見たことがないので本当に取れるのかどうかは分かりません。
このFlyerBonusで特典航空券を発券するお得な路線は、キャセイパシフィックのファーストクラスが何路線か良さそうなのがありますが、これまた取れるかどうかは疑問です。
ついでながら、先日運航停止したばかりのエアベルリンも発券できていたのですが、アブダビ⇔ベルリンの往復ビジネスが900ポイント(新システムでいえば45000マイル)と破格のお得さでしたがもう遅いですね(笑)。
バンコクエアでマイルを貯めている人自体が少ないでしょうが、タイ周辺のホテルチェーン(アナンタラやチャトリウムなど)との提携プロモがあって、その時期に宿泊するとかなり貯まります。フライトで貯めるのであればメリットはありません。
ミャンマー観光省は来年バガン・ニャウンウー空港に国際線を発着させる計画を発表するとしていて、それに伴ってバンコクエアウェイズに協力を要請しています。私はATR-72などのプロペラ機しか発着できないバガン空港ですので、バンコクからの直行便は距離的に飛ばせないと踏んでいます(チェンマイが有力候補でしょうか)。
またこの時期にマイレージ方式を変えたということは、エティハド航空などと関係が深いバンコクエアですので提携を更に広げるのか、ワンワールドに加入するといううわさもありますが、勢いのあるエアラインだけに注目ですね。
バックパッカー必見!JJ EXPRESSがオンライン予約を開始
※11月10日追記:同じVIPバスのバガンミンター(Bagan Minthar)もオンライン予約を開始しています。もう旅行会社要らないですね(笑)。はは
こんにちは。
久しくバックパッカー向け情報を発信しておらず、申し訳ない気持ちでいっぱいだったのですが、今日はとっておきの情報です。
ミャンマーのVIPバスの代表格JJ EXPRESSがサイトをリニュアルし、オンライン予約を開始、しかも事前の座席指定ができるようになっています!
これはすごい、航空各社でさえ、しかも国内線ビジネスクラスでさえ事前の座席指定はできないのに、バス会社が先にやるとは思ってませんでした。
ちなみに、弊社スタッフの出張が入ったので実際に予約してみて、リコンファームをしたらへんてこな回答がきましたので、まだまだバス会社のスタッフは不慣れなようでしたので、自分の席がブロックされて予約されたようだったら、余計なことはしないで入ったものと思った方がよさそうです。
料金はヤンゴン→バガンで片道USD19ですが、バス予約につきましてはいろんなことがありましたし、わたしの会社でできないことへの不甲斐なさも感じていましたので、ここまで利便性ができた本当に良かったなと思います。
ちなみに年末年始もまだまだ空席があるようですし、強敵の欧米人も気づいていないようですので、ご予定の方はいまがチャンスですよ(笑)。
ぜひ良いご旅行となるように願っております!
エアカンボーザが前触れもなく増便
ミャンマー国内線最大手のエアカンボーザ(AIR KBZ)がヤンゴン→バガンの夕方便を増便しました。
■ヤンゴン→バガン線
K7236 RGN-NYU 1700/1820 (月~金)
これをぱっと見て思うのは、タイ航空あたりで朝ヤンゴンに着いて、ささっと観光して夕方空港に戻ってきてバガンに飛べる、あとゴールデンロックに1泊して帰りにバゴーに寄ってから空港でおりてバガンに迎えるという、ある意味使い勝手の良い便だといえます。
運航予定は3月末までで土日の運航予定はありません。ということはネピドー線とリンクしているということでしょうが、新規路線(時間帯)の初年度というのははじめたはいいものの、集客が少なければ欠航してしまうということもあるので注意は必要です。
ただ去年途中から欠航したNYU-RGN 0905/1025というバガン発の朝便は、今年は普通に飛んでいるようです。
まあ、1年目は様子見で、2年目以降本格的に運航するという当たり前の運航計画ができているだけまともなエアラインだと言えるのかもしれません。
ちなみにオペレータ大手のエーペックスさんがアジアンウイングスが全便欠航を決めたと発信していますが、前からチェックインカウンターはしばらく開いていなかったように思います。
現在ミャンマー国内線の航空会社は慢性的な人材不足でオペレーションもままならないんだと思います。ローシーズンの搭乗率の低さを考えても採算を合わせるのは簡単ではないのでしょうね。現在エアバガンやアジアンウイングスが運航中止していますが、今後も運航を取りやめるところがでてきそうです。ですので、一昨年から言ってきた国内線搭乗はエアラインを選べというのは正しいのだと思います。
日帰りで行くゴールデンロック~個人旅行の方向け情報
※追記:ロープウェイが完成し、運航されています。はじめての方は行きはピックアップで恐怖と熱気の体験をし、帰りは景色のきれいなロープウェイを利用する、というのがおすすめです。
ヤンゴン発のツアーとして人気のゴールデンロックですが、何か情報が足りないのでまた裏技も含め書いてみたいと思います(少しお金を使ってもいい人向けです)。
ゴールデンロック(ミャンマー人はチャイティーヨといいます)の魅力は、山の頂上に大きな岩が落ちそうなところに鎮座していて、ミャンマー人の強い崇敬を集めていることです。
このような巨石は周辺では見られるところで、国境をまたいだタイにも同じような岩があります。ただゴールデンロックの場合には、本当に落ちそうな状態で落ちないという点にあります。またここから見た景色が絶景で、この岩はいったいどこから落ちてきたんだろうと不思議になるのは確かです。
ちなみに、チャイティーヨ周辺には、観光客の行かない良いところが実はいくつもあるので、近々そういったツアーもつくっていきたいと思っています。
それでは少し写真でご紹介したいと思います。
大事な情報は下の方にありますので、不要な方は写真をとばしてください。
キンプンのピックアップ乗り場
ピックアップは定員になる発車する
参拝客が多いので後部座席の待ち時間は10分程度でしょうか
フロントシートの料金表。2人+大きいスーツケースという場合これもあり
ぎゅうぎゅう詰めになるまで入れます
上りはジェットコースターです。エンジン止まるなよと全員が思ってるでしょう(笑)
山頂からの風景。ゴールデンロックの魅力はこの景色も大きいでしょう
参道は上りです。足の悪い方は人力カゴを利用しましょう
外国人は入域料10000チャットを払います
パゴダが近づいてきました。バガンと双璧をなすミャンマーのパワースポットです
入口にある靴の預け所ですが、ここで預けてしまうと奥の店には裸足となってしまう
若いミャンマー人には古都バガンよりも見晴らしの良いチャイティーヨが人気(笑)
ゴールデンロックしたのテラスや右側のテラスには女性は行けます。
金箔を貼れるのは男性だけ
確かによくこれで落ちないなと思います
日本と同様土産物屋はどれも同じような店が多いですね
ミャンマー人スタッフはここで漬物を買い込んでいました
さて本題です。長くなりましてすみません(笑)。
まず日帰りで行く場合の行程は以下のようになると思います。
07時00分 ヤンゴン発
11時00分 キンプン着
11時00分 キンプン発(ピックアップ乗り換え)
11時40分 山頂着
12時00分 ご昼食
13時00分 観光開始
14時00分 観光終了
14時20分 山頂発(ピックアップ)
15時00分 キンプン着(車両乗り換え)
19時00分 ヤンゴン着
つまり、移動に片道4時間(往復8時間)、キンプンからの往復で観光・買い物を入れて4時間とかなりタイトなスケジュールになります。ここを節約するにはどうするか?
①ヤンゴンのホテルを北寄りに取る
ヤンゴンへの帰着時は渋滞の時間です。行きはさほどでもないですが、帰りがかなりのロスになります。特に空港周辺のミンガラードンあたりで動かなくなりますので、バゴーに泊まっちゃってもいいかもしれません。少なくともダウンタウンには戻らず、レーダンやインヤー湖周辺あたりにされた方がいいかもしれません。
②出発時間を早める。
午前7時発となると帰着が午後7時なので5~6時出発にすると少し時間ができると思います。また暑期(3~5月)は日が出ると裸足で歩くのがこたえるので、やはり早めに動いた方が良いと思います。
■ピックアップがいやな人
キンプンからの往復ピックアップはぎゅうぎゅう詰めで斜度のある山道を猛スピードで走ります。横揺れが大きいので前にあるバーを握る手が疲れます。
これを避ける方法は、フロントシートに座ることです。
料金は専用とすると15000チャット(2017年10月時点)。これは計5席(ドライバーの隣り2席+その後ろ(狭い)3席で、1人でも2人でも専用利用は同じです。ですのでガイドがいる場合、ガイド+4人までOKということになります。
ただ、キンプン発の上りは人気があるために30分ほど待ったりします。これはやはりロスとなりますので、日帰りの場合には、行きががまんして、下り(あまり待たされない)でフロントシートに乗るというのがいいかもしれません。
■めしがまずい
いろんな方が書いてますが、ゴールデンロック周辺はあまり美味しいレストランがありません。ガイドに聞くと、バゴーまでいかないとさほど美味しいところはないという声が多いです。
ただキンプンではBAWGA THEIDDHI(ピックアップ乗り場のすぐそば。トイレがきれい)が比較的まし、山頂では同じくホテルですがYOE YOE LAYやKYAIKHTO HOTELが比較的ましだということです。ただ私からするとどこも同じような昔学生の頃食べた記憶に残らない食堂の味(笑)という感じで、紹介するほどのものでもないかもしれません。
■宿泊
宿泊される方は、山頂ホテル YOE YOE LAY, MOUNTAIN TOP, KYAIKHTO HOTELのいずれかになると思います。YOE YOE LAYがチャイティーヨパゴダの奥側、他の2つが手前側です。今年あたりからミャンマー人の宿泊客もものすごく増えて予約するのが大変なので、選べないで取れるだけでよしとい時期も増えてきました。山頂で取れない場合は、先ほど紹介した山麓のBAWGA THEIDDHIが良いと思います。
■買い物
パゴダの周辺には小さな土産物屋なども多くあります。場所は参道(パゴダ手前)とパゴダに突き当たる前を右手に入った道、パゴダを過ぎてYOE YOE LAY HOTELの方面と固まってあります。パゴダ入口で靴を脱ぐときに預けてしまうと、奥に行くときに裸足で歩かなければならない(靴で歩くところに店がある)ので、預けない方が良いと思います。
ちなみにお土産ですが、よくみるゴールデンロックの置物はあまり買う人がいないようで、ミャンマー人スタッフはあんずとかの漬物や漢方の栄養ドリンクのようなものを家族に買っていました。
■参拝記念(?)
パゴダのそばまで行けるのは男性だけとなりますが、金箔が1つ1800チャットです。また金箔を貼れない女性は、鈴(3000~5500チャット)を買って願をかけるようです。
■持っていった方がいいもの
・ビニール袋(靴入れ)
・ウェットティッシュ
・折りたたみ傘
■その他注意点
・女人禁制のなごりで女性はそばまで行けません。ただパゴダ脇の階段を下りて下側からゴールデンロック近くまで行くこともできます。“そばまで行ってさわることはできない”という言い方が正しいかもしれません。
・ピックアップにはスーツケースも載せられますが、スペースは多くなく、また大きいものは無理です。宿泊される方も大きいものは車両に預け、必要なものだけ上げるようにした方が良いかと思います。
※2017年10月現在予定されているロープウェイはまだ運行していませんでした。早くて12月といったところでしょうか?
→2018年現在運航しています。山腹のヤテタウン⇔山頂まで片道10ドル(外国人)です。
ロヒンギャ問題の本質~現地日系紙記事より
ロヒンギャ問題について、私の会社は旅行会社なので政治信条に関わる話題は積極的に発言してきませんでした。ただ日本や欧米の報道姿勢と、現地とでは相当な温度差があるなと感じていました。ヤンゴンプレスの最新号で栗原編集長が、現地メディアとしての視点で分析して記事を書かれていたので転載させて頂きたいと思います。
ヤンゴンプレス10月号「今月の視点」
メディアの報道姿勢と責任。偏向報道の怖さと弊害
国内の主要都市にも標的を移した武装集団 不法移民に無条件で国籍を寄与する国はない どうやら雨期は終焉を迎えつつあるようだ。8割がた峠を越し、季節的にはいよいよミャンマーはさわやかな乾期の到来となる。しかし、国内をみると、とても「さわやか」などといっていられない状況になってきた。
先月5日の朝、在ミャンマー日本国大使館からの緊急メールが入った。ミャンマー国家最高顧問府から爆弾事案発生の可能性に関する注意喚起が発信されたという内容だった。武装勢力が「世界の注目をさらに集める」ため、首都ネピドーやヤンゴン、マンダレーを含むミャンマーの都市で爆弾攻撃を計画している」との声明を出したのだ。これまで西部ラカイン州で起きている紛争は、我々外国人、少なくとも当方個人はあくまでミャンマーの内政問題というとらえ方をしていた。しかし民間人への「爆弾テロ」云々と聞けば、これはもうそんな悠長なことを言ってられなくなってきた。
紛争の火種になっているラカイン州の100万人ともいわれるイスラム系住民は、その大多数が1966年に当時の隣国東パキスタン(現バングラデシュ)との国境確定後に越境してきた不法移民だという。しかし、問題を複雑化しているのは、それ以前にこのあたりがミャンマー人と南アジアのイスラム系民族が混在していた曖昧なエリアだったことだ。英国占領下と独立の混乱期に、ベンガル地方(現在のバングラデシュ~インド北東部)から保守的なイスラム教徒が多数やってきて、このあたりで独自のコミニュテイーを築くようになったと言われている。だからすべてのイスラム系住民を不法移民と断定する事には多少無理がある。だが、ミャンマー政府が自国民と認めていないのは、少なくと1966年以降に不法に越境してきたイスラム教徒とその子孫たちである。
ミャンマーの国籍法は、国籍が取得できる対象者を「19世紀初頭からミャンマーに居住する民族」に限定しているのだ。 人道的な感情論を一切排し、法の観点から冷静にそして厳格に考えれば、国民の生命財産や文化伝統や国益を守らねばならない独立した法治国家である以上、不法移民に無条件で市民権や国籍を与える国はない。ましてや領土の一部を与えて自治国家を作らせるなんて話は論外であろう。そんなことをしていたら、不法移民に対して歯止めが効かなくなる。
ミャンマーは東南アジアで最も敬虔な仏教国であり、国民の90%近くを占める国だ。だから一夫多妻制で、食生活や宗教的戒律も異なるイスラム教徒をこれ以上受け入れ、共存していくのは土台無理な話である。ミャンマー市民に聞いても、ほとんどの方がこの問題に関してだけは、ノーを突きつける。 武装勢力の悪事は報道されない 憶測で物をを書く日本の大新聞 しかし、日本を含めた欧米のメディアや国際的な人権団体とやらは、この問題に関しては一方的にミャンマー政府への批判を続けている。その図式はミャンマー政府、国軍が悪で、ラカイン州のイスラム系住民は迫害、虐待され、悲惨な目に遭っているというもので、欧米やイスラム諸国系のメディアは連日このニュースを加熱気味に報道している。
確かに、昨年10月9日に武装勢力による国境警備隊施設を襲撃する事件が発生し、今年8月25日には、武装勢力がマウンド―地区の24か村、19警察署と軍施設を襲撃してから、治安部隊が迎撃、掃討に乗り出し、テロ集団化した武装勢力との間で激しい戦闘が行われている。住民のなかには巻き添えを食った人や難を逃れてバングラデシュへ避難した人も多数続出しているといわれている。
しかし国営新聞は、武装勢力が同胞を殺害したり、家屋に放火したり、国連や世界の支援団体から届いた食料を彼らがアジトに大量に秘匿していたという事実も報じた。むろんこのニュースとて実際に見たわけではないから100%信用するわけにはいかないが、少なくとも彼ら過激な武装勢力が意図的に現状を悲惨化し、すべて国軍の仕業に見せかけて国際社会にアピールしている節もあるのではないかと思えてくる。先月の国内都市への爆弾テロ声明を聞くと尚更その感を強くする。しかし海外メディアや人権団体はこうしたニュースには一切触れようとはしないのは何故なのか。
これは多くのメディアが一度描いたシナリオに都合の悪い部分は無視するか、最小限にとどめる傾向があるからではないか。軌道修正するにはかなりの英断がいるのだ。
先月7日の朝日新聞の天声人語にこんな一文が載った。「~略、130を超える民族を抱える多民族国家が、それから融和の道に進んだとも思えない▼象徴が、少数派のイスラム教徒ロヒンギャの扱いだろう。不法移民と決めつけられ、参政権も移動の自由も認められない。国軍による掃討に脅かされ、安全な地を求めて川や山を越える様子が報じられる。隣国に逃れた人は12万にのぼった▼やるせないのは、これがアウンサンスーチー氏率いる政権の下で起きていることだ。ノーベル平和賞に輝いた民主化の星である。軍の力が依然強いことを考えても釈然としない。以下、略」これはひど過ぎる。落胆する。天下の朝日の論説委員が、ご自分で現状を見てもいなくせに、世に出ている報道を鵜呑みにして憶測で書いている。ミャンマー政府がいたずらにイスラム系住民を迫害しているとの論法で、肝心のテロ集団化した武装勢力掃討という事実が欠如している。そしてこの問題はミャンマー国軍そしてスーチー氏が悪いと決めつけ、大向こう受けするような調子で一方的に書いている。しかもミャンマー政府が認めていないイスラム系住民の俗称を軽々に使っているからもう何をかいわんやである。
メディアは本当に真実を伝えているのか?
ミャンマ―政府は毅然たる声明を世界にこんな姿勢でラカイン州で本当に何が起きて、どうなっているのか真実を報道できるのだろうか。事はミャンマーに限らず、日本を取り巻く朝鮮半島情勢にしてもTVを含めた一部メデイアの偏向報道にはもう我慢ならない。核やミサイルを脅しの材料に使う国から、すでに日本列島の上空を飛んで太平洋に打ち込まれているのだ。それでもなお、一部のメディアや政党は、安倍政権が戦争に巻き込もうとしていると、寝ぼけたことを言っている。多くの在日同胞がいる日本によもや攻撃するとは思えぬが、所詮人間のやることである。軌道計算を間違ったり、自暴自棄になることだってあるのだ。
1991年の湾岸戦争時、米軍によるイラク攻撃が始まると、フセインは保有するスカッド・ミサイルを米国の同盟国イスラエルに大量に撃ち込んだ。この時はイスラエルが迎撃ミサイルで防衛したが、その撃墜率はわずか40%に過ぎなかったと報告された。当時より精度は格段に上がっているとはいえ、もはや「専守防衛」の典型であるミサイル防衛とて決して完璧ではないのだ。そしてもし、このときにミサイルに核が積まれていたとしたら、1発の撃ち損じがあってもイスラエルは 壊滅したといわれている。 朝鮮半島情勢は、今、望むと望まざるに関わらず、すでにそうした危険水域になってきているのだ。それでもなお日本の左翼といわれる勢力とメディアは、安倍政権が日本を軍国化して戦争に巻き込もうとしている、という図式とシナリオに固執している。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの論法だ。
もちろん、誰も戦争や紛争は望まない。できることなら平穏無事に幸せに暮らしたいと思うのは必然であろう。ミャンマーとてそうだろう。何も好き好んで国軍が掃討活動をしているわけではない。すでにテロリスト化した武装集団とやらが、主要都市で行動を起こそうとしている危機感から対処しているのであろう。だから国連や国際的な人権団体とやらが「民族浄化」などと決めつけているのは的外れだ。これもメディアが一方的な主観で偏向したニュースを垂れ流したり、何者かがフェイクニュースを拡散させたりしている事にも起因しているのではないか。
ミャンマー政府によって設立されたアナン元国連事務総長を委員長とする調査諮問委委員会は、先ごろ政府に「国籍法を改正し、国籍を取得できる制度に改めるよう」求めた。移動の自由も認めるよう勧告した。しかしながら仮にミャンマー政府が彼らイスラム教徒に国籍を与え、受け入れを表明したら、この国はおそらく大混乱になるだろう。デモ、暴動が頻発し、今度は仏教徒から政府が標的にされる事は目に見えている。
もちろん罪もないイスラム教徒を弾圧したり、迫害したりすることは絶対に許されない。しかし、ミャンマーは言われなき濡れ衣を晴らすためにも、現状を詳細に公開し、国際社会に自国の立場と主張をもっとアピールしていくべきではないか。必要があれば国民投票でも実施し、「大多数の国民の総意として不法移民を受け入れることはできない」という声明を世界に発信するぐらいの毅然たる態度を示さないと、この問題は増々こじれていき、ミャンマーは世界から孤立していきかねない。 当方は資格的にはミャンマー国民ではない。しかしこの国もう7年もいると、心情的には市民の意識でこの国の行く末を危惧する。これまで政治的な問題に言及するのをあえて避けていた。が、メディアの一員として今回だけは言わせてもらった。
ソース:ヤンゴンプレスFBオフィシャルページhttps://www.facebook.com/YangonPress/