バガン&ホイアン便り - ミャンマー・ベトナム観光 情報ブログ

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“世界遺産に「殺された」富岡製糸場の教訓”の感想

昨日4月8日にプレジデントオンラインに掲載された標題の記事に、バガン遺跡は「危険なほどの混雑」に見舞われたという内容があり、当社のサイトも非常に高いアクセスがありました。

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この記事の中で、「観光亡国論」の著者であるアレックス・カーさんは以下のように述べています。

“夕方になれば絶景スポットとされる高さ数十メートルほどの寺院に人々が大挙して集まり、その混み合うさまは古代寺院の神秘どころではなく、危険そのものです。中には夕暮れをBGM付きで楽しみたいということで、あたりかまわず音楽をかける人も出ているといいます。”

そして、ユネスコによる世界遺産登録による弊害として次の4段階を踏むと指摘します。

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1、世界遺産に登録される、あるいは登録運動が起こる
2、観光客が押し寄せて遺産をゆっくり味わえなくなる
3、周辺に店や宿泊施設が乱立して景観がダメになる
4、登録地の本来の価値が変質する
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私はアレックス・カーさんの言うことに反論はしませんが、バガン遺跡に関して言いますと、この人は重大なポイントを見落としています。

それは、バガン遺跡は現役の信仰対象である仏教聖地であり、遺産登録地は観光以前に地元民が居住する生活地であることです。そしてカンボジア・アンコールワットの拠点であるシェムリアップも同様、地価が高騰し、現地の人々にとって子孫のために土地や家を買うことが不可能になっているという事実です。

世界遺産が単なる観光における商業化の手段となっていることは誰でもわかっていることです。ただ現地の人々の生活権を大きく侵害することだという方が、より重大な問題点であると思うのです。

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