バガン&ホイアン便り - ミャンマー・ベトナム観光 情報ブログ

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ミャンマー観光は一体どうなってしまうのか(2020年5月2日)

※本記事は2020年5月2日現在のものです。またミャンマーのインバウンド観光に限定した内容となります。


ひさしぶりに誰も書かない記事を書いてみたいと思います。
前代未聞の大災害に見舞われました。ほぼすべての国際線と多くの国内線が世界中で欠航となりました。しかもそれが突然発生するという、観光業にとっては危急存亡の秋といえる事態となっています。
オリンピックイヤーということもあり、インバウンド需要の増加を見越した日本国内の観光業界は大打撃を被り、既にコロナ関連による倒産は100件以上となっているようです。死者数が欧米各国に比べ抑えられていることと、遅々として進まない支援策協議によって、ずるずると経済対策が後回しになるのではないかと危惧されていますが、結果的に中国や韓国などがイチ抜けたという状況になっているのが皮肉です。


さて、ミャンマーの状況ですが、ずっと感染者数がゼロだったためにPCR検査をしていないだけで実際には蔓延しているのではないかと、各国が帰国勧告を出したりして不安視されていました。ただ最近の大使館情報や保健省発表などを見ますと、ほとんどの感染源は海外帰国者だったりしていますので、現状では最初から感染は拡がっていなかったととれるかもしれません。またかなり厳しい集中的なロックダウンと強制的な検査および隔離が行われていますので、少なくとも"感染発生を追えている"と言えると思います。


ただ政府からの外出禁止令やそれに伴う自粛ムードにより国内観光も当分は控えられるでしょうし、現在の状況は観光関連のビジネスは成り立たなくなっています。もっとも影響を受けているのは日本と同様ホテルと航空会社ですが、日系のティリピセヤホテルも5月末までの閉鎖を伝えていますし、その他のホテルも同様です。インレーの高級ホテルプリンセスリゾートなどは政府から大きな緊急融資を受けていますが、当たり前ですが借りるということは続けるということですので、この状況で閉めずに続けて、観光再開後に多くの競合リゾートがひしめくインレーエリアで集客して、それだけの負債を返済できる見込みがあるのかというとかなり疑問に思えてきます。


ちなみに、ミャンマー政府は4月に緊急融資を行ったのに引き続き、世界銀行からの融資を受け約3000億円の融資や納税猶予、観光ライセンス料の免除措置などを含む事業救済策を講じると発表しています。最近評判の悪かったアウンサン・スーチーさんですが、軍政時代だったらほとんどの事業体がつぶれて、ハイ終わりだったでしょうから、いかに国際世論というものが一面的な見方しかされていないかがこういう時に分かりますね。
観光先進国であるカンボジアでは支援対策が今のところまったくなされておらず、観光業が壊滅状態なのとは対照的です。
いずれにしても、現在ローシーズンであるというのはホテル業界にとっては救いです。


一方国内線はというと、軒並み5月中の全便運休を決めていますが、もともとオペレーションの良くないエアラインが多いですので、今後淘汰されていくものと思われます。また運航再開後もかつてのように直前にキャンセルになったり、大幅な時刻変更が発生したりと、非常に不安定な運航となることが予想されますので、航空会社やフライトの選択が重要になると思います。


ミャンマー観光がどうなるかとなりますと、外国人旅行者に依存してきた観光業界ですので、入国制限と国際線の運航再開がカギとなりますが、実質入国制限をいつ解除するかにかかってくると思います。
国際線各社はもう存続できるかどうかの瀬戸際ですし、1日数億円ずつ損失が出ているエアラインも多いわけですので、"フラッグキャリアがつぶれても国家としていいんですか?"という立場だと思います。


最新情報を見ますと、キャセイパシフィックが6月21日から運航便を増便すると発表していますし、バンコクエアが国内線再開、マレーシア航空やガルーダ・インドネシアなども早々と再開、というか運航自体既に開始していたりします(日本のメディアはこういう続報出さないんですよね)。当面援助物資や国際貨物輸送をメインとした運航になるのかもしれませんが、フライトがあるのとないのとでは大違いですよね。
もっとも早い時期からコロナ感染対策に直面してきたキャセイが増便を決めたというのは大きな意義があって、今後各社が追随することになると期待しています。
また、感染防止対策で言いましたら、エミレーツが10分以内に結果が判明する検査キットを導入して全搭乗客に実施していましたが、これで擬陽性の問題をクリアしたら、到着後の検疫のための隔離というハードルに対しても大きく前進すると思います。


エールフランスが70億ユーロの融資を受けるだとか、ルフトハンザが資金調達できなければ破産させるとか言ってますが、東南アジアでそんな融資できる国どれだけあるかっていう話です。そういう意味ではアジアから再開が進むのは当然の帰結ということになります。
ついでですが、2月にバンコクエアに搭乗したとき、その時点で既に"密"を避ける間隔を開けた座席配置にしていてさすがと思わせましたが、日本に一時帰国して新幹線に乗ったら、逆に指定席が満席だったので恐怖を感じましたが、そういうことだと思います。


それから、後進国では民主化がさほど進んでいなかったので、日本など先進国と比べて強引な政策がとれ、かつ観光への依存度が高いので政府としても積極策をとれるのかもしれません。
入国制限がでてミャンマー入国に支障がでる前の段階で、私の会社で最後までご旅行予定だった方は日本ではなくてタイやシンガポールなど周辺諸国の在留邦人の方でしたので、再開後最初に観光で訪れる方もおそらく中国や東南アジアにいらっしゃる日本人の方なのではないかと思います。


ミャンマー人はと言いますと、仕事が激減したフリーランスガイドやドライバーなどは、ちょっと前までの質素な生活に戻っています。どうなるかと心配しましたが、清貧が売りなだけに、ごくごく普通に生活しています。逆に高飛車だったホテルがこれで少しは優しくなってくれるといいなと心の中で少しだけ期待しています。
私も3月からキャンセルの嵐に見舞われ、いっときは絶望的な心境になりましたが、旅行予定だった方もうずうずして待っているようですので、再開後の激務に耐えられるように一休みというところです。初心に返ってまた開業したころの心境で準備していきたいと思っています。


それではまた、上向きな観光情報の発信再開をしていきたいと思います。
乞うご期待!


■元記事:

tokuhain.arukikata.co.jp

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