~バガン便り~

バガンに本社がある旅行屋のブログ

バガン仏教

ダマヤンジーの怪 (3)ローカナンダの仏歯

バガンのローカナンダになぜ仏歯のレプリカがあるのか?それを考えると、上座部におけるバガンの重要性というものがはっきりと分かるのです。バガンとスリランカ・ポロンナルワの共通点は、ずばり時代がまったく同じであり、世界中でたった2つしかない11世紀…

バガン最大のミステリー・ダマヤンジーの怪 (2)大僧正出奔

度重なるヒンドゥー教のセイロン島侵攻と、長期にわたり西洋の植民地となったことでスリランカ仏教が衰退し、また緬泰(ビルマ=アユタヤ)戦争などの影響で隣国同士が戦乱を繰り返したこともあり、近世以降上座部各国の関係性が薄れてしまいました。ただ、…

ダマヤンジーの怪(1)スリランカ=バガン動乱

今回のシリーズの内容はアジア史の大きな謎です。“南伝仏教”としてスリランカ仏教が展開していく段階で、スリランカが武力を伴って東南アジアに布教していったと推測できます。その後スリランカは2度にわたって仏教が衰退していったため、このあたりのことは…

温度差のある仏教史観

あけましておめでとうございます。 先日ヤンゴンの国際上座部大学に行きましたら、ミャンマーでいちばん偉いという高僧の方がちょうど来ていて、私と一緒の人が「お坊さん、ぜひ今度うちの近所のお寺で説法を聞かせてください」と誘ったら、その高僧は「私は…

バガン地震の副産物

今年起きた8月の地震では、バガン遺跡の中で特に軍政時代に修復したパゴダや寺院の尖塔部などが損壊しました。 詳細につきましては次のレポートをご覧ください。 saratravel.hatenablog.com 本レポートを書いたあと、私が詳細を伝えることでどんな影響が出る…

スワンナブームの話(終)スワンナブームはどこにあったか?

長々と趣味に走ってしまいましたが(笑)、先日インドの専門家の方と久々にお会いしまして、上座部の発生について「大寺派ができるときにスリランカがつくったものだと思う」と言っていて、なるほどなと思いました。つまり、いわゆる上座部の教義とは大寺派…

スワンナブームの話(4)バガン宗教論争

バガンの人たちは、サパダパヤーの歴史的な意味を深く知りません。ただこのパゴダには特別な力があると信じられています。 軍事政権時代、ときの権力者がこのパゴダの尖塔部を変えて金のものにしようと計画したことがありました。ところが工事をはじめた途端…

スワンナブームの話(3)シン・アラハンの野望

本文に書いていませんが、モン族のシン・アラハンがビルマに来る前流浪していたのだとすると、スリランカが絶望的な状況をよく知っていたのだと思います。つまり、シン・アラハンにとっては何もビルマでなくてもよく、上座部を信じてくれるところならどこで…

スワンナブームの話(2)スリランカ派兵

バガン王朝初代のアノーヤター王が、スリランカに派兵し、高僧を派遣したのを1070年頃だとする説があります。しかし私はこれは間違っていると思っています。なぜならスリランカ王からお礼に仏歯のレプリカをもらって、ローカナンダに奉納するわけですが、ロ…

スワンナブームの話(1)仏教先進国モンからの継承

伝説のスワンナブームという地に仏教が伝わったのは、実はスリランカに伝わったのとほぼ同時期です。つまり“スリランカから上座部が伝わった南伝仏教”という認識ははっきりと間違っていて、15世紀頃までの上座部仏教はほぼ相互覚醒のような形で残ってきたわ…

バガン通信4月号 バガン仏教の戦い(2)密教の系図

今回はこっそりとアップします。 あくまでミャンマー仏教に敬意を持ち、バガンの仏教が当時の上座部そのものを支えてきたのだと強く信じています。 その上で、歴史背景を考えるとこうなると思います。 18世紀にマンダレーのコンバウン朝が王朝としての勢いを…

バガン通信3月号 バガン仏教の戦い(1)上座部仏教の復興

アノーヤター王が帰依した若い僧侶シン・アラハンは、強いカリスマ性を持った求道者だったのだと思います。のちに1190年にスリランカに派遣されていたサパダが帰国し、持ち帰ったスリランカ(シンハラ)仏教の教義が正統であると唱えたために、バガン王国内…

女人禁制のなかったバガン時代

本当はもっとパブリックに書きたいことなのですが、ミャンマー仏教に敬意を表しこのブログに書くだけにとどめたいと思います。 ミャンマー仏教において性差は数多く存在し、ゴールデンロックやマンダレーのマハムニパヤー、インレーのファウンドーウーパヤー…